コラム
終末期の方 お一人のための演能
私どもの元へ連絡が入りました。
「特別養護老人ホームの入居者様への公演を希望しております。」
終末期の方 たったお一人のために 施設に伺いました。
職員の方が、ベッドを起こし、タオルを入れて横向きにされ、
少しでも見えるようにされたのですが・・
・・とても意識があるように思えません。
お世話をされている職員の方々と共に、高砂の一説を謡い、
仕舞:寺澤幸祐 小鼓:久田陽春子 が 演じました。
すると
ベッドに横たわる、その方の目と口元がかすかに動き、
声をかすかに「あぁ~あぁ~」と・・・。
居合わせた私たちは 涙、涙、なみだ・・・
今まで 演能をして数々の感動を味わってきました。
でも 今回のことは・・・
「感動」という言葉で表せない、なんというのでしょう・・
ずっしり重くて深いモノを感じ、
会場を後にしてからも 一日考えさせられるものでした。
今日ほど 「能楽師をしていて良かった」
心から思えたことがあったでしょうか。。。
この特別養護老人ホーム「ふるる」
入居者の方に喜んでいただくには何を提供すればいいかを
考えておられるとのこと。
このような施設がもっと増えるといいですねぇ。