能の四方山話

能の四方山話

「杜若」(かきつばた) の 四方山話



梅雨に入りましたが、池のほとりにはあやめが美しく咲いている風景が見られるようになり、
少し時期を前後してカキツバタも美しくなる時期です。

【何(いず)れ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた】

アヤメとカキツバタは似ていて区別がつきにくいところから・・どちらも優れていて優劣がつけにくいことの意に使われますが、
お能にも「杜若」(かきつばた)という曲があります。

お能の曲の大半には季節が設定されており、やはりこの時期は「杜若」の上演が多いです。
場所は三河の国(愛知県)八橋。
かきつばたの名所に訪ねてきた僧が花に見とれているとどこからともなく女の人が出てきて声をかけ、
八橋のかきつばたと在原業平の事を伊勢物語の歌を引用して語ります。

「実は自分はかきつばたの花の精だ」と名のり、伊勢物語によまれた冠と装束を付けて、業平が歌舞の菩薩の化身でその和歌の徳により草木も成仏できる喜びを語りながら夜明けと共に姿を消す
    ・・という舞を舞います。

伊勢物語の世界を能にしたもので、かきつばたの精でもあり業平の装束を付けた二重の美しさを見ることが出来ます。